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桜色地平線

SoundHorizonの考察ブログ

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「エル」とは何か。

「エル」とは何か。
勿論作中の「エリス」の愛称である、ということではなく、この地平線を通して語られる「エル」とは一体なんなのか、という話です。

歌詞によれば「理想」であり「鍵穴」であり「楽園」であり「少女」(「エルの天秤」より)
これが全てイコールで結ばれるのであるのかは脇へ置くとしても、単純に愛称とだけ捕らえてはいけないものであることは間違いないと思います。

此処で「EL」について所謂「天使」の名前を引き合いに出します。
作中にもでてくる「ガブリエル」や「ミカエル」など、主要な天使の名前には「エル」が付いています。彼らの名前に付されている「エル」とは『輝ける者』を意味しており、彼らが神の使徒であることを明確にしています。
堕天した「ルシフェル」が「エル」を奪われ「ルシファー」となったことが大変示唆的ではないでしょうか(最も、堕天使たちが皆「エル」を名前から取っているかといえばそうでもないのですが。)

一方、今度はオルフェウス神話の元となっているギリシア神話に目を向けます。
こちらで「エル」に相当するものは心当たりがありませんが、一方で「エリス」は存在しています。彼女は不和と争いの女神であり、トロイア戦争の原因にもなった女神です。ちなみに彼女の娘は争いと混沌の女神です(・・・。)
但し彼女の綴りは「Eris」なので、「Elysion」の綴りを考えると同一性があるとは断言しきれないのですが・・・ただ、人物名は基本的に現地語のままつづる陛下の作詞技法からいって、わざわざカタカナで「エリス」と書いたからには綴りに拘泥する必要はないのかもしれません。

不和と争いの女神の愛称が「輝けるもの」
それだけでこの地平線に通じるものを感じます。


思うに「肖像」の中にあった歌詞
「少女もまた母になり娘を生むのなら 楽園を失った原罪を永遠に繰り返す」
と先述の天使の名前にある「EL」を照合させます。
天使が堕ちることで「EL」を失い堕天使になることと「原罪」を重ね合わせて・・・少し論理が飛躍しますが少女は「EL」を失うことで不和と争いの女神と化すのではないでしょうか。
換言すれば、少女が母になることによって「EL」を失い「原罪」を重ねる。

さて、もう一つ神話を引きましょうか。
「Adam」と「Eve」です。「Eve」は「Adam」の妻であり、彼の肋骨から作り出された存在。ある種「娘」といってもいいかもしれません。
彼女が知恵の実を食べてしまったばかりに楽園<Eden>を追われてしまった、それが「原罪」です。

この歌詞でいわれている「原罪」が「少女が母になって娘を生む」ことであり、それによって楽園を追われるのなら「EL」とは、少女が失ったものは何か。

長々書いてきて結論は一番最初にありました。
文字通り「少女」なのだと思います。
処女性・少女性。
これが「Abyss」が求め続けた「EL」の正体ではないでしょうか。

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